さん
今日のお話は数年前まで遡ります。
フィリピンでの2人目の子供(通算4人目)への養育費ですが、毎月15日付近に銀行振込で支払っておりました。
毎年お盆の時期に一時帰国休暇を取っております。
その年の休暇の予定は8/5~8/17だったのですが、養育費を振り込む予定日が3日ほど遅れてしまったのです。
フィリピンに戻ってからすぐに振り込めばいいかなと思っておりました。
8/15、2人目の子供の母親フィリピーナから怒りのテキストが入ります。
母親『なんでお金振り込まれていない!訴えてやる!!』
と、こんな感じでした。
ベテランさん『今は休暇で日本だから、8/17にフィリピン戻ってからすぐに振り込むよ。心配しないで。』
と返信しましたが、それっきり返事はありませんでした。
日本での楽しい休暇を終え、フィリピンへ戻りました。
すると、仕事中に知らない番号から電話が入ります。
?『ベテランさんの携帯ですか??』
相手は日本人の男性。
ベテランさん『はい、ベテランさんです。どちら様でしょうか?』
?『私、山田(仮名)と申します。今回お電話させていただいたのは、○○さんから養育費の支払いの件で相談されまして、ベテランさんに連絡させていただきました。』
○○は、2人目の子供の母親の名前でした。
ベテランさん『○○ですね。昨日振込しましたのでもう大丈夫ですよ。』
山田『私はベテランさんのことを助けてあげたくてお電話したんです。
お時間あればマカティでお会いできませんか?』
・・・・・さて、面白い展開になりました。
養育費という責任はしっかりと果たしているにも関わらず、私を救いたい・・・。
ヤバイ匂いがプンプンしましたが、山田さんの救済に対する興味のほうが上回ります。
週末であれば時間作れますよと返事をして、土曜日の午後3時にグリーンベルト1のスターバックスで待ち合わせという運びになりました。
一応小綺麗な格好(ジーパンにポロシャツ)をして、約束の時間20分前にスターバックスへ到着。
先にコーヒーを注文して山田さんへ到着した旨をテキストにて送信。
一応手帳と名刺は用意しておきました。
3時・・・まだ来ない
3時10分・・・まだ来ない
3時20分・・・まだ来ない
時刻は3時35分、注文したアイスラテが飲み終わる頃、山田さんらしき人物が現れました。
向こうは日本人3名です。
山田さん『どうもベテランさん、私が山田です。彼らは私の仕事を手伝ってくれている関係者です。』
・・・・・・・・・止)。
山田さん 黒のスラックスに白のポロシャツ、50代くらい。
1人目の外見 灰色のスラックスにピンクの半袖Yシャツ、首に金の太いネックレス、腕に金の時計。50代くらい。そして極めつけは半袖から出ている腕全面に和彫の刺青。笑)
2人目の外見 上下長ジャージにロン毛の若造、いわゆるチンピラ風。30代くらい。
以降、刺青男とチンピラと呼ばせていただきます。
もうこの時点で最高じゃないですか。笑)
お笑い芸人じゃないんだから、出オチとかいらないんですよ。
ベテランさんの心の声『こういうシチュエーションを待っていた ( ̄ー ̄)ニヤリ』
席に座るなり、
刺青男『200万ペソで全部無かったことにしてやるから払え。』
カッチーーーーーーーーーン!!!!
第一声がこれかい。
実はベテランさん、この日の為に色々なシュミレーションを立てておりました。
戦闘態勢はバッチリだったのです。
眼光を鋭くして言い放ちます。
ベテランさん『山田さん、あんた私を助けたいって電話で言ったよな?それが一言目に200万ペソ払えだ?どういうことか説明して。こっちは休みの日に時間作って会いに来てるんだよ。』
山田さん『刺青男さん、ちょっとお待ちください。ベテランさんも冷静になって。』
焦っているのが良く分かります。オロオロしてましたから。
山田さん『実は私ども、日本政府から認定されている国際協力NGOなんです。こういった日本人とフィリピン人との間のトラブルを仲裁している団体なんです。』
ほうほう、胡散臭さが半端ない団体だなぁ。
ベテランさんは黙って自分の名刺を3人へ渡します。
ベテランさん『名刺いただけますか?』
山田さん『あ・・・と、すいません、まだ刺青男とチンピラの名刺が出来上がっておりません、私も本日は名刺を家へ忘れてきてしまいました。』
あるわけないだろ、こっちは分かっててやってるんだよ。笑)
ベテランさん『とりあえずお渡しした名刺返してください。』
差し出した名刺を私へ戻す3人。
すると、山田さんは私の出身地や出身校、家族構成、勤続年数、フィリピンでの住まいを聞いてきました。
それに対してベテランさんは、超適当に答えます。120%嘘です。笑)
山田さん『ベテランさんは○○高校なんだ、ベテランさんの2歳年上の先輩に○○さんっていたでしょ。私の可愛がっている後輩なんだ。』
・・・そんな高校行ってねーし、そんな先輩知ってるわけねーだろ。笑)
『出身は○○県ね、昔私もそこに住んでたのよ。近いところにお互い住んでいたんだね。』
・・・そんなとこ住んでねーし。笑)
そもそも私も嘘の情報を伝えているので、しっくりくるわけがないのです。笑)
詐欺師はターゲットの身の回りから固めてくる。ですよね。
親近感を湧かせて、こちらの懐に入り込みやすくする常套手段。
安心させておいて騙すわけです。
山田さん『話本題に入るね。今回の件だけど、200万ペソ支払えば、今後一切女の子と関わり持たなくて大丈夫だから。こんな事、会社や親にバレたら大変でしょ。』
刺青男『払うんなら悪いようにはしないから。』
チンピラ『刺青男さん怒らせると怖いから、黙って払ったほうがいいよ。』
ですって。笑)
漫画とかドラマで見たようなセリフ。
笑いを堪えきれず、吹き出してしまいました。
それに対して3人は怒り心頭、語気を強めます。
ベテランさん『山田さん、もしあなた達が本当に正規の団体だとしたら、時間に遅れてくるなら1報くれるはずです。日本人として当然だと思います。名刺も出せないような日本政府公認の団体なんてありますか?第一に私は、女の子と子供との関わりを断ち切ろうなんて初めから思ってませんから。子供を産んでくれた母親と私の子供の為に、今後も養育費は払い続けます。会社も親も私がフィリピンに子供いること知ってますし、なーんにも脅しになりません。』
この言葉を最後に私は席を立ちます。
無駄な時間を過ごしましたが、ネタ的には最高でした(^^)
あとあと駐在が長い知り合いに山田さんの事を話してみると、有名な詐欺師みたいです。
関わらないほうがいいよと言われました。
まぁ、それっきりなんですけどね。
こういう輩がいまだにフィリピンにはいるんです。
つまり、被害者がいるってことですね。
日本に家庭があり、フィリピンで愛人との間に子供ができてしまったパターン。
こんな人は、まんまとターゲットにされるはずです。
会社、家族と言われたら、バレたくない一心から支払ってしまいそうです。
支払ったところで、ほんの少しのお金が女の子に入り、大半は3人の懐に入るはずです。
フィリピンで日本人を騙すのは日本人。
騙す方はもちろん悪いですが、騙される方にも問題があるのかな。
世の中には美味しい儲け話なんて存在しないと思います。笑)
普通の考え方が出来れば、詐欺被害に会うなんてことは起きないと思います。
騙された人は、自分の責任でもあると思います。
まぁ、今回の件は詐欺未遂というより、脅迫でしたけどね。笑)
マニラの駆け込み寺と呼ばれるベテランさん、何かあれば相談のります(^^)
もちろん無料で(^^)